「これから侵略するのは、彼らの言葉で地球と呼ばれている惑星だ。戦力を出し惜しみはしない。我々300億人で、この惑星を侵略する。情けは無用だ。地球を血の海に沈め、我々のユートピアを築こう」
司令官の演説に、異星人の軍隊は咆哮で答えた。
軍隊は大気圏を越え、地球に着陸しようとしていた。異星人達は、生身で宇宙空間を飛び、ついにこの地球に辿り着いた。黒く禍々しい牙をむき出しにして、よく育った翼で空を羽ばたいていた。
「総員、突撃」
司令官が命じると、異星人達は四散した。
地球侵略の開始である。
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「次のニュースです。本日、世界各国で新種の蚊の大量発生が発生しました」